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新規事業の事業化に関するFAQ|売れない・採算・KPI・社内体制の疑問を解説

はじめに

新しい商品やサービスを開発しても、それだけで新規事業が成立するわけではありません。
実際には、

顧客に選ばれるか
 → 採算が取れるか
  → 継続して提供できるか
   → 社内で事業を動かせるか
    → 売上・利益を安定して生み出せるか

まで確認する必要があります。

このページでは、当サイトで整理している「事業化ストーリー」「事業化ロードマップ」「4つの壁」「KPI・進捗管理」と、公開事例から見えてきたポイントをもとに、事業化でよく出てくる疑問をまとめます。

【目次】
01.事業化の基本について
02. 事業化ストーリーについて
03.事業化ロードマップについて
04.市場・技術・資金・社内の「4つの壁」について
05.KPI・進捗管理について
06.「売れない・儲からない・社内で進まない」場合について
07.本格展開・見直しについて

01.事業化の基本について

そもそも「事業化」とは何ですか?

商品やサービスを開発するだけでなく、実際の顧客に提供し、継続して売上・利益を生み出せる状態へ仕上げていくことを、このサイトでは事業化と考えています。「商品が完成した」「最初の1件が売れた」だけでは、まだ事業化の途中です。

商品開発と事業化は何が違いますか?

商品開発では主に「何を提供するか」を具体化します。

一方、事業化では、

誰に売るか
どう届けるか
いくらで売るか
利益が残るか
誰が担当するか
注文が増えても対応できるか

まで考えます。

そのため、商品開発が終わった後にも多くの仕事が残ります。【詳細はこちら】

商品が完成したら事業化はほぼ終わりですか?

いいえ。
商品完成後にも、採算、提供条件、販売方法、顧客の反応、社内体制などを確認する必要があります。

むしろ、実際に市場へ出してから初めて分かることも多いのが事業化です。

商品が売れれば「事業化成功」と考えてよいですか?

売れたことは重要ですが、それだけでは判断できません。
売上が伸びても、原価、送料、手数料、人件費などを差し引くと利益が残らないことがあります。
自由創作みがと居座屋の事例でも、EC販売が伸びた一方で営業利益が赤字となり、採算を見直したことで収益性を改善しています。

02. 事業化ストーリーについて

「事業化ストーリー」とは何ですか?

商品から売上へ直接つなげるのではなく、
経営資源
 → 提供する仕組み
  → 顧客に生まれる成果
   → 売上・利益などの事業成果

という因果関係を整理する考え方です。

なぜ商品と売上の間を考える必要があるのですか?

良い商品を作ったからといって、必ず購入されるわけではないからです。

例えば、

顧客が困っている
 → 商品で解決できる
  → 顧客が価値を感じる
   → その価値にお金を払う

までつながって初めて売上になります。

「顧客ニーズがある」だけでは不十分ですか?

不十分な場合があります。
「困っている」「便利そう」という反応と、実際に価格を提示された状態で購入することは別です。
サンコーの事例でも、大きな注目を集めることと実際の購入は別問題であることが分かります。

事業化ストーリーの最後は売上でよいですか?

売上だけでなく、利益や事業継続まで考えた方がよいでしょう。

例えば、
購入 → 売上 → コストを差し引く → 利益が残る → 事業を継続できる
までつなげます。

03.事業化ロードマップについて

事業化ロードマップとは、単なるスケジュール表ですか?

違います。
「いつ何をするか」だけでなく、どこまでできたら次の段階へ進むのかまで整理するのがポイントです。

事業化はどのような段階で考えればよいですか?

当サイトでは代表的な流れとして、

商品・サービスを仕上げる
 → 採算と提供条件を固める
   → 継続提供できる体制を整える
     → 販売して顧客の反応を確かめる
       → 本格展開しながら改善する


という5段階で整理しています。

ロードマップどおり進まなかったら失敗ですか?

いいえ。
新規事業では、当初の想定と市場の反応が違うことは珍しくありません。
問題が見つかった場合は、前の段階へ戻り、商品、価格、提供条件、販売方法などを修正します。

本格販売前に小さく試した方がよいですか?

可能であれば有効です。
限定顧客、少量販売、試験導入などで実際の反応を確認すれば、大きな投資をする前に問題に気付ける可能性があります。

ロードマップは細かく作る方がよいですか?

最初から細かく作りすぎる必要はありません。
特に先の工程ほど不確実性が高いため、

何を達成するか
何を確認するか
いつ見直すか

を中心に置き、情報が増えたら詳細化する方が実用的です。

04.市場・技術・資金・社内の「4つの壁」について

事業化の「4つの壁」とは何ですか?

当サイトでは、事業化の途中で起こりやすい課題を、

市場の壁
技術の壁
資金の壁
社内の壁

の4つに整理しています。

「市場の壁」とは何ですか?

顧客ニーズ、ターゲット、価格、価値の伝え方、販売方法などに関する問題です。
「商品が完成したのに売れない」という場合には、まず市場の壁を確認します。

「技術の壁」は、商品を作れないことだけですか?

それだけではありません。
試作品が作れても、

品質を安定させられない
必要な数量を生産できない
コストが合わない
納期を守れない

といった問題があれば事業化できません。
規格・法令、知的財産などの確認が必要になる場合もあります。

売上が伸びていても「資金の壁」はありますか?

あります。
売上が増えるほど原材料、在庫、人件費などの支払いが先に増えたり、そもそも商品ごとの採算が悪かったりすることがあります。
「売れているから資金面は問題ない」とは限りません。

「社内の壁」とは社員の反対のことですか?

反対だけではありません。
人員不足、兼務、役割分担、意思決定、部門間連携、既存事業との優先順位なども社内の壁です。
沢根スプリングの事例のように、既存事業では正しい評価基準が、新規事業では障害になることもあります。

4つの壁は一つずつ発生しますか?

例えば「売れない」という問題でも、実際には市場だけでなく、価格、コスト、提供体制、営業活動、社内体制など複数の要因が関係していることがあります。

05.KPI・進捗管理について

新規事業では売上をKPIにしておけば十分ですか?

売上は重要ですが、それだけでは原因が分かりません。
例えば売上が伸びない場合でも、「顧客への提案自体が少ないのか」と、「十分提案しているのに購入されないのか」では対策が異なります。

成果だけでなく行動も見る必要がありますか?

はい。
例えば「新規顧客数」という成果だけでなく、

ヒアリング件数
提案件数
試用件数
フォロー件数

など、その成果につながる行動も確認します。

KPIはずっと同じものでよいですか?

事業化の段階に合わせて見直した方がよいでしょう。
立ち上げ時には顧客の反応や注文数を重視し、販売が増えてきたら利益率、原価、継続率などが重要になる場合があります。
自由創作みがと居座屋の事例は、売上だけでなく採算を見ることで経営判断が変わった分かりやすい例です。

行動はできているのに成果が出ない場合はどうしますか?

単純に活動量を増やすのではなく、前提を見直します。

例えば、

ターゲットは適切か
顧客課題は強いか
商品の価値が伝わっているか
価格は適切か

など、事業化ストーリーや市場の壁へ戻って確認します。

KPIは数字を管理するためのものですか?

数字を記録すること自体が目的ではありません。
数字から問題を見つけ、次に何を変えるかを判断するために使うものです。

06.「売れない・儲からない・社内で進まない」場合について

商品は完成したのに売れません。まず営業を増やすべきですか?

必ずしもそうとは限りません。

まず、

誰に売ろうとしているか
どの課題を解決するのか
価格に見合う価値があるか
なぜ他の方法ではなくこの商品を選ぶのか

を確認します。

サンコーの事例は、「注目されること」と「購入されること」が違うことを考える材料になります。

売上は伸びているのに赤字です。何を確認しますか?

商品・サービスごとの原価や、販売に伴って増える費用を確認します。

売上だけでなく、

粗利益
限界利益
利益率
送料・手数料
顧客対応コスト

などまで見て、販売条件そのものを見直す必要があります。

新規事業に社員が反対しています。説得すればよいですか?

まず反対の理由を確認する方が先です。
「忙しい」「非効率」「既存顧客に影響する」などの意見には、事業化に必要な改善点が含まれていることがあります。
沢根スプリングの事例からも、反対を押さえ込むだけでなく、既存事業との違いを整理し、段階的に事業を育てる重要性が見えてきます。

事業化がうまくいかない場合、すぐ撤退した方がよいですか?

一つの結果だけで判断するのではなく、

どの段階で問題が起きているか
なぜ起きているか
修正できる問題か

を確認します。

事例を見る目的も、単に成功・失敗を分類することではなく、「どこで何を見直すべきだったか」を考えることにあります。

07.本格展開・見直しについて

いつ本格展開へ進めばよいですか?

一つの目安は、

顧客から一定の反応が得られている
採算に見通しがある
品質・提供体制が整っている
注文が増えても対応できる

状態になっていることです。
売れたという事実だけで一気に拡大するのではなく、複数の条件を確認します。

本格展開したら事業化は終了ですか?

顧客が増えると、生産能力、品質、顧客対応、原価など、初期には見えなかった問題が出てきます。
そのため、本格展開後も市場の反応と数字を確認し、事業を改善し続けます。

計画と実績がずれた場合、計画を守るべきですか?

予定を守ること自体を目的にしない方がよいでしょう。
なぜずれたのかを確認し、必要なら商品・価格・販売方法・体制やロードマップそのものを修正するのが事業化です。

関連ページ

事業化の全体像を知りたい → 「新規事業の事業化とは?」
売上までの道筋を整理したい → 「事業化ストーリー」
実際の進め方を整理したい → 「事業化ロードマップ」
どこで詰まっているか知りたい → 「事業化を阻む4つの壁」
数字で進捗を確認したい → 「KPI・進捗管理」
実際の企業事例で確認したい → 「事業化事例」