神奈川県における「経営革新計画の承認手続と支援メニューのご案内」の留意点
神奈川県では、下記ページにて承認手続きや支援メニューの案内等を説明しております。
ここでは、「承認手続きや支援メニューのご案内」と「予備入力票(記入例)」を実務者目線で読んで気づいた点を中心に説明します。※本検証は2025年9月(令和7年9月)版の手引きに基づいています。
経営革新計画の承認手続きと支援メニューのご案内(電子申請版)
GビズIDアカウントについて
電子申請の実行にはGビズIDアカウントが必要となります。アカウントの発行処理には一定の日数を要するため、申請準備の初期段階で取得を完了させる必要があります。
申請相談窓口への相談について
窓口での事前相談には、法人の代表者、または計画内容を直接説明できる役員・従業員の出席が必須です。専門家(コンサルタント等)の同席可否については、事前に該当の申請相談窓口へ確認を取る必要があります。申請内容の作成を外部へ丸投げし、自社内に計画の説明責任者が存在しない状態での申請は不受理となります。

支援メニュー
基本メニューに加え、神奈川県独自の支援策も入っていますので、一度目を通しておいてください。
普及度による除外規定(承認基準)
「ただし、同業他社(地域性の高いものは同一地域における同業他社)において、既に相当程度普及している技術・方式の導入については対象外となります。」
ここの書き方は昔から変わっていませんが、「当社としての新規性(必須)」と「業界としての新規性(一定水準以上は必要)」の両方が必要な点の念押しです。

計画終了時における経常利益の黒字化要件
計画期間の最終年度において、経常利益が正の値(黒字)となる計画策定が必要です。既存事業の赤字補填や、収益化に長期を要する事業計画であっても、最終年度が経常利益赤字のままでは審査を通過しません。
予備入力票(記入例)に関する解説
ここからがある意味本題となります。予備審査ではこの「予備入力票」を作成し、受付機関からOKが出た場合に、「経営革新計画電子申請システム」(本審査)の入力に進める形となっています。
なお、記入例の内容をそのまま自社の計画にコピペすることは絶対に避けてください。記入例は様々な企業が参考にできるよう汎用的な内容を記載していますが、書くべきなのは貴社オリジナルの計画です。真似をするのは構造までに留めてください。
【補足】
予備入力票と本申請の文字数の違いについて、下記2つの可能性があります。
➀ 予備入力票で説明しきれなかった詳細情報を記載する
➁ 見出しや改行などで見た目を整えるためのバッファー
本サイトでは、➀と仮定して説明させて頂きます。
理由としては、②だとすると文字数が多すぎる点、➀は他の補助金申請にも文章を活用可能と考えたためです。神奈川県の公式情報が確認でき次第、追記・修正させて頂きます。
【申請情報(基本)】~【別表1(経営革新計画)】冒頭部分
直近期の従業員数の記載において、特定事業者の該当性を判定する基準と、付加価値額・従業員給与の算出基礎となるデータの計上方法に相違があるため、記入例に示された定義に従って算出します。
経営革新のテーマ(40文字程度:上限150文字)
システム上の上限は150文字ですが、神奈川県の手引きでは「40文字程度」での端的な記述が指定されています。改行位置や文字の見切れに関する規定があるため、コメント欄の指示通りに枠内に収める必要があります。
1 当社の現状と経営課題(上限900字)
ここも、経営革新計画電子申請システムより上限文字数を少なく設定しています。
書き分け方については別ページで解説しますので、ここでは内容面をチェックしていきます。
既存事業から新規事業の創出に至った経緯をまとめるだけですが、「ローカルベンチマーク」や「未病CHECKシート」など、普段目にしないキーワードがあります。
これらの分析ツールの使用が必須というわけではありませんが、客観的に自社の経営を分析し、経営課題を正しく認識すべきとの考えが根底にあります。
2 経営革新の具体的内容(上限900字)
ここも、経営革新計画電子申請システムより上限文字数を少なく設定していますが、ここでは内容面を確認します。
(1)新規事業の概要
例文では、経営革新で求められる「新規性」と「実現可能性」について端的にまとめていますが、記載例ではやや「新規性」に重みを置いた書き方になっています。一方で、他社との連携などの実施体制にも触れている点が(実現可能性の補強という意味でも)優れています。実施体制については忘れがちですので、どこかで必ず説明を入れてください。
(2)既存事業との相違点
ここでは、「自社としての新規性」について端的にまとめています。
(3)競合他社との違い
ここでは、「業界としての新規性」と「実現可能性」について端的にまとめています。(比重は新規性が重め)
ここでは実現可能性として、「市場に受け入れられる可能性が高い」と大まかに説明していますが、どこかで詳細説明を入れる必要があります。
(4)経営戦略に関する位置づけ等
ここでは、「下請け体質からの脱却」を軸にしてストーリーを構築しています。
既存事業を含めた全社戦略に対し、新規事業の戦略と位置づけを対比させて記載すると分かりやすくなります。
【別表2(実施計画)】
ここは昔から書き方は変わっていませんが、経営革新計画以外ではまず使うことのない書き方です。
大項目(「開発」「製造」「販路開拓」「体制構築」「人材育成」など)の切り口を先に考えてから、中項目を考えるアプローチだと整理しやすくなります。
【別表3(経営革新計画及び資金計画)】
数字の整合性の誤りや、目標伸び率の設定など、矛盾なく数字を作りこむのは難易度が高いため、「別表3関連の添付イメージ」を読み込んだうえで、作成支援ツールを使ってください。
決算書を基に受付機関による事前の数値チェック(矛盾検知)を受けるステップが必要です。
<売上計画の補足説明>
この部分は、今作成している予備審査時のみ記載が求められている項目ですが、非常に重要です。
別紙添付が明確に認められており、実質的な文字数制限がないことが特徴です。
予備審査で「実現可能性」を説明する際の極めて重要なポイントとなります。単なる想像ではなく、明確な根拠(見込み客へのヒヤリング、必要経費の詳細分析、実施体制[社員を何人投入できるか、既存事業・新規事業それぞれの推進体制に問題が無いか]、売上見込みの説明は十分か、など)一次情報を中心に、緻密に練り上げる必要があります。
【別表4(設備投資計画(経営革新計画に係るもの))】
前提として、既存事業に必要な設備は対象外です。新規事業に必要なもののみ記載してください。
なぜそのタイミングで、その設備が必要なのかを説明できることは当然必要ですが、価格の適正性を説明するために、事前に見積りを取るなどしておくことが望ましいです。
【別表4(運転資金計画(経営革新計画に係るもの))】
運転資金は、新規事業に必要な総費用ではないため、過計上しないようにご注意ください。
当然既存事業分は含まれません。詳細は下記ページをご覧ください。

【別表5】【別表6】について
作成不要なパターンの方が多いですので、割愛します。
【申請の目的】
ここは、利用する可能性のある項目には積極的にチェックを入れる方針で問題ありません。
