事前相談は「計画書を提出する前の確認作業」ではありません。計画の方向性を受付機関と共有し、後の修正コストを最小化するための最も重要な工程です。
事前相談を軽視して後から大きな修正が入るより、事前相談に時間をかけて後がスムーズになる方が、総合的な時間コストは少なくなります。
オンライン化の進展で変わったところ
前提知識として、オンライン化の進展で何が変わったかについては、下記ページの前半部分をご覧ください。

紙申請が中心だった時代
その上で、紙申請が中心だった時代を見てきた担当者の1人としてお伝えしたいことがあります。これまで受付機関は、それぞれの持つ基本形のようなものを持っていました。レベルが高い計画書に対しては、元の内容で良い部分には手を加えず、自分たちの基本形と比較して、不足している部分の追記を促す以外は、数字の整合性チェックや新規性・実現可能性の主張に納得できるかを加筆いただく程度でした。
一方で、要求水準に及ばない計画書をどうしていたかというと、全てではありませんが、自分たちの基本形に元の計画の内容を入れ込み、不足部分を新しく作成頂くアプローチをとることが多かったです。
そのやり取りの中で、途中であきらめる方も多いため、審査会に行く前の実質的な1次審査として機能してきました。
電子申請以降への過渡期である現代
さて、電子申請でこれがどう変わったか考えてみます。まず、Gビズによる申請の場合、そもそも入力できる場所、文字数がガチガチに固まっており、オリジナリティを付加できる場所は、添付資料に集約されます。
そして、添付資料には容量制限があり、申請者(およびその支援者)は、制約の強いルールの中で、受付担当を納得させる申請書を作成しなくてはなりません。一方で、そもそも電子申請は型が決まっているため、受付機関の持つ基本形が通用しません。この結果何が起こるかというと、「限られた文字数の中でいかに新規事業を説明するか」「添付資料でいかに説明を補足できるか」が重要になります。
受付機関側がかつて持っていた自分たちの基本形は、MECE感、視覚的な分かりやすさ、新規性・実現可能性の適切な訴求方法などは一応網羅されていました。これが通用しなくなる(必要なくなる)ことで、熟練した担当者と、経験の浅い担当者の間で共通認識を持ちづらくなります。
その結果、申請者側で端的に新規性と実現可能性を訴求できるかの重要度が今後も強まっていくように思えます。さらに、別のページで詳細に説明していますが、新規性と実現可能性に対する要求水準が高くなっていること、クリック一つで差し戻しができることが組み合わさり、素人である担当者を初見で理解させた上で、一定の腹落ち感を持たせるだけの説得力のある文章を文字数制限がある中でどれだけ作りこめるかが重要となります。

事前相談で確認すべき4つのこと
確認① この事業は申請要件を満たしているか
計画の方向性が制度の要件を満たしているかを、早い段階で確認します。「この事業は経営革新計画として申請できますか」と直接聞くことが、最も確実で最も時間がかかりません。
確認② 類型はどれになるか
5つの類型のどれに該当するかを確認します。受付機関が日常的に答えている質問です。一人で悩まず、相談の場で確認してください。
確認③ 今月の審査会に間に合わせるには何日までに最終版を提出すればいいか
スケジュールを確認します。補助金の加点を狙っている場合は、逆算したスケジュールを相談の段階で伝えておくと、受付機関も優先的に対応してくれることがあります。
確認④ 法規制上の問題はないか
事業内容に関連する法規制について、受付機関の視点から確認してもらいます。受付機関が法規制の専門家というわけではありませんが、過去の申請事例から「この種の事業では○○法の確認が必要」という知見を持っています。
事前相談前の準備チェックリスト
➀ 希望するスケジュール(承認時期)を決めているか
➁ 事業概要を口頭で2〜3分で説明できるか
➂ 既存事業と新規事業の違いを3点で言えるか
➃ 売上目標の根拠を概算で説明できるか
➄ 関連する法規制を事前に調べたか
⑥ 希望するスケジュール(承認時期)を決めているか
そもそもなぜそんなに細かいことを気にするのか
下記ページをご覧ください。

