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審査員との攻防戦

そもそも何故細かい指摘をしてくるのか

申請者の誰もが一度は思うのが、なぜそこまで細かい指摘をしてくるのか、といった疑問かと思います。
これは、意地悪で言っているのではなく、原因は審査の仕組みにあります。
 まず、審査会に出した段階で、申請書に瑕疵が認められた場合、対応に追われるのは受付機関の担当者になります。基本的に受付機関の中で、提出された計画に一番詳しいのは担当者になるため、代替困難な役割となります。
 さらに、審査会の場で説明するのはやはり受付機関の担当者であり、審査員から矢のように飛んでくる質問にその場で答えなければなりません。基本的に上司は当てにできず、個人の戦いとなります。
 その結果生じるのが、「自分が腹落ちできない計画は認めない」といった結論です。
この「腹落ち感」が曲者で、担当の習熟度や理解度、さらには説明能力に依存する部分が大きく、振れ幅も大きくなります。

では、どうすればよいのか

とはいえ、受付担当は誰であっても、よほどの理由がない限りは、貴社の業界については素人です。
しかし、最近では生成AIや動画サイト・Webなどで容易に情報を得られる環境になっているため、素人なりに表面的な疑問を解決できる環境が整っています。
このため、少なくとも、生成AIなんかには負けないレベルで自社の計画に自信を持ち、具体的に説明できることが最低ラインとなります。

なぜ「根拠不足」と言われるのか

受付機関との打ち合わせで最もよく指摘されるのが「根拠不足」です。「どこが不足しているのかわからない」という経営者が多くいますが、根拠不足には明確なパターンがあります。100件超の計画を承認に導いた経験から、「根拠不足」と判断される構造をお伝えします。

「根拠不足」と判断される3つの構造

構造① 主張だけで証拠がない

「市場ニーズが高い」「競合に対する優位性がある」という主張は、それ自体では根拠になりません。審査官が求めているのは、その主張を支える事実・データ・一次情報です。

根拠として機能しないもの
「市場の成長が見込まれる」(主張のみ)
 「自社には技術力がある」(主張のみ)

根拠として機能するもの
 過去○年間で△件の特許を取得しており、○○分野の加工精度は業界水準の○倍(具体的数字の裏付け)

構造② 数字の出所が不明

売上目標・市場規模・成約率などの数字に、出所が書かれていない計画書は根拠不足と判断されます。数字があるだけでは十分ではなく、「その数字がどこから来たのか」が重要です。

構造③ 新規性と実現可能性の根拠が混在している

新規性の根拠と実現可能性の根拠が混在して書かれている計画書は、どちらも伝わりにくくなります。「何をやるか」と「なぜできるか」を分けて書くことが、根拠を明確に示す最も有効な方法です。

根拠を厚くするための実務的な行動

取引先・見込み客へのヒアリング
「発注を検討できるか」という意向確認

市場データの収集
業界団体・政府統計・民間調査会社のデータを出所とともに記録する

自社実績の数字化
過去の成長率・既存顧客の継続率・受注実績などを数字として整理