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【神奈川県】予備審査表の具体的記載例を公開します!

神奈川県の経営革新計画予備入力票の記載例

神奈川県では、詳しい予備入力表の記載例を下記URLで公開しています。(2026/7/1時点)

予備入力票の記入例(神奈川県HP)

しっかり書き込んであり、補足説明も詳しいため、これを読むだけで充分予備入力表の作成の助けになるかと思いますが、
① 伏字が多く具体的な姿をイメージしづらい
② 吹き出しで隠れて全文が読みにくい
といった使いづらさがありましたので、これをベースに架空の企業の予備入力表を作成し、別の視点から解説を加えております。

全般的な手引きは下記URLをご参照ください。本ページでは、記載例(カスタマイズ版)に沿って、内容部分を中心に解説します。

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記載例(カスタマイズ版)を保存もしくは印刷して、同時に見ながら解説をご覧ください。

<目次>
この記載例の特徴について
経営革新計画の目標
経営革新の実施に係る内容
経営革新の具体的内容
別表2(実施計画)
別表3(経営計画及び資金計画)
別表4(設備投資計画・運転資金計画(経営革新計画に係るもの)

<この記載例の特徴について>

 この予備入力票は、鉄製・ステンレス製の配管継手を製造してきた横浜市内の製造業(従業員38名)が、アルミ合金製の軽量継手という新製品を開発・販売する計画を記載したものです。(架空の企業です。)
 先に記載した通り、神奈川県の記載例をベースに作成しております。

【テーマ】
アルミ鋳造技術を活用した軽量配管継手の開発・生産及び販売

【目標】
 ① 鉄製比約65%の軽量化と耐食性向上を図った配管継手の生産及び販売
 ② 下請け体質からの脱却を図り成長性を高めていくことを目標とする

【現状と経営課題】
 ① 鉄製配管継手は国内建設市場の縮小とともに受注が伸び悩んでいる
 ② 鉄製品の下請け体質からの脱却を図ることが経営課題

【内容】経営課題となっている下請け体質からの脱却を図り 今後の売上の向上につなげ成長性を高めていく計画

<経営革新計画の目標>

 経営革新計画のテーマ(40字程度:上限150字)

「アルミ鋳造技術を活用した軽量配管継手の開発・生産及び販売」
推奨文字数より若干短いですので、貴社の計画書では、もう少し説明を加筆し、最低下記3点は伝わるようにしてください。
 ① 手段・技術(何を使うのか) →  アルミダイカスト技術を活用した
 ② 対象製品(何を作るのか)  → 軽量配管継手
 ③ 事業の内容(何をするのか) → 開発・生産及び販売

テーマ欄に入れてはいけないもの
NG① 自社名
「株式会社○○の新製品開発」 → 自社名はどこにも記載する必要がない

NG② 根拠のない表現
 「業界最軽量の配管継手の開発」→「最軽量」という客観的証拠がない限り使えない

NG③ 抽象的な表現
革新的な製品開発による企業成長→  何を作るのかが全く伝わらない

NG④ 長すぎる文章
→ 40字程度を大幅に超えるテーマは 「計画の焦点が定まっていない」印象を与える

経営革新計画の目標(158字程度:上限270字)

3段構成になっています。

第1段(既存の課題)
「従来の配管継手は鉄製・ステンレス製が主流で、重くて取り回しに手間がかかる、さびが生じやすい」
 → 「重い」「さびる」という日常語で書かれており専門知識がなくても伝わる。

第2段(新規事業の内容)
「アルミ鋳造技術を応用することにより鉄製比約65%の軽量化と耐食性向上を図った配管継手の生産及び販売を行う」
  ① 第1段の2つの課題(重さ・さび)に対して「軽量化」「耐食性向上」という2つの解決策を対応させている。
  ② 「65%の軽量化」という数値が入っていることで 「どの程度軽くなるのか」が具体的に伝わる。

第3段(経営目標)
「下請け体質からの脱却を図り、今後の売上の向上につなげ成長性を高めていくことを目標とする」
 → 経営課題と経営目標はセットで考えるようにしてください。

<経営革新の実施に係る内容>

1.当社の現状と経営課題(上限900字)

下記①~⑤がわかるように記載してください。
 ①  何をしている会社か(会社概要)
 ②  どんな強みがあるか(主力製品の評価)
 ③  なぜ課題があるか(市場の縮小)
 ④  何が経営課題か(下請け体質からの脱却)
 ⑤  なぜ今この計画なのか(基礎開発の成功)

第1段(会社概要・強み)
【会社概要】昭和52年設立・鉄製配管継手の設計から製造
【強み】品質・耐久性・安全性・加工精度の面で高評価

第2段(分析ツールの活用と課題の発見)
「ローカルベンチマーク及び企業経営の未病CHECKシート等を活用して当社の現状を分析したところ〜」
神奈川県が推奨する2つの分析ツールを使用したことを明記しています。

① ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)
 国が提供する中小企業の経営状態の見える化ツール。売上高増加率・営業利益率・労働生産性等を地域・業種の平均値と比較できる。

② 企業経営の未病CHECKシート
神奈川県が提供する経営課題の自己診断シート。

これらを「使った」と明記することで、「主観的な危機感」だけではなく「客観的な分析結果」として課題を示せます。また、これらツールを活用していることを示すと審査員への印象が良くなる効果も期待できます。

第3段(経営課題の定義)
「鉄製品の下請け体質からの脱却を図り企業としての成長性を高めていくことが当社の経営課題であると認識した」
 → 経営者自身が主体的に課題を認識したことを示すように記載してください。

第4段(計画策定の経緯)
「アルミ鋳造を専門とする○○製作所と連携して基礎開発に成功し事業化のめどが立った」
  ① 連携先の専門性を明記
  ② 「○○製作所と連携」ではなく「アルミ鋳造を専門とする○○製作所と連携」
「アルミダイカストの専門業者が連携先」という情報が開発面での実現可能性の根拠になっています。
一方で、実際に連携が進んでいない場合は、連携できる可能性の根拠を示す必要があります。

「基礎開発に成功し」「事業化のめどが立った」
という表現は「これから考える」ではなく「すでに動いている」ことを示しますので、実現可能性の根拠になります。
一方で、製品開発の進捗について、より具体的な説明が必要になります。

さらに追記するとしたら、
 ① ローカルベンチマークの具体的な数値
 ② 直近3期の売上・利益の推移
 ③ 建設市場縮小の統計データ(二次情報)
 ④ 連携先○○製作所との交渉・合意の経緯
などが考えられます。

2.経営革新の具体的内容(上限900字)

(1)新事業の概要

「当社では、最近、建設現場や工場設備において使用される配管継手について、鉄製品は重くて施工に時間がかかる、さびが生じやすく定期交換コストがかかるといった課題があるため〜」

冒頭の書き方:課題から入る
この記載例では「課題から入る」書き方を採用しており、「新製品の必要性とニーズ」が無理なく説明できます。

「継手の内径・肉厚の設計に当社の鉄製継手のノウハウを転用」
 「全く新しい技術を開発した」ではなく「既存の技術・ノウハウを新しい素材に応用した」という表現になっています。
既存技術と関連した新規事業は「本当にできるのか」という実現可能性の説明がしやすいです。一方で、新規性(当社としての新しさ、業界としての新しさ」もしっかりと説明する必要があります。
また、「ノウハウを転用」という言葉が「当社だからできる」という競合優位性の根拠にもなっています。

「特許申請(特願2024-○○○○○○)」
 番号を入れる意味:
 ・審査員が特許庁のJ-PlatPatで確認できる
 ・出願番号があることで、客観的な信頼度を高めることができる。

 番号が手元にない場合:
  「特許申請中(出願日:令和○年○月)」と日付だけでも記載したほうが良い。

「当初は○○製作所に委託・受注が安定したら内製化」
段階的に生産体制を構築する計画としています。「最初から全部自社でやる」という計画は設備投資・人員採用・技術習得が全て同時に必要になり、現実的でありません。
「まず外注で量産を始め、 軌道に乗ったら自社設備を導入する」という段階的な計画の方が、
 ① リスクが低い
 ② 資金計画が現実的
 ③ 別表2の実施スケジュールと整合させやすい
というメリットがあります。
一方で、外注先のメリット(協力する理由)などにも言及する必要があります。

(2)既存事業との相違点の解説

「アルミ合金製の配管継手は、当社では初めて製造・販売するものである」
 経営革新計画の新規性の要件は「業界初」「日本初」である必要はありません。「自社として初めて取り組む」ことで
新規性の要件を満たし得ます。(ただし、競合他社と比較した新規性について、別の場所で説明することが必須です。)

「アルミ鋳造専用金型の導入」「アルミ鋳造成型技術の採用」
 → 製品が新しいだけでなく、生産方法・設備・技術も(当社としては)新しいことを説明しています。
製造業の申請では、「製品の新規性」に加えて「生産方法の新規性」を並記することで新規性の説明を厚くすることが可能です。

(3)競合他社との違いの解説

3層構造で競合他社との差別化のポイントを説明しています。

第1層:性能の優位性
 「鉄製比約65%の軽量化」+「施工現場での取り回しが大幅に改善」
  
第2層:顧客メリット
 「定期交換の間隔が延びる」+「顧客の維持コストが下がる」
  → 性能向上が顧客にとって何を意味するかを示す

第3層:価格競争力
「独自の検査工程で品質を安定させつつ鉄製継手とほぼ同等の販売価格で提供できる」
 →「高性能でも価格は変わらない」という分かりやすい優位性

「市場に受け入れられる可能性は十分に高いと自負している」
 →「自負している」という表現は主観的に見えるため、客観的視点も補強すべきです。

※汎用的な記載例をベースにしているため競合他社と比較した(業界としての)新規性の説明が全体的に弱い印象があります。貴社の計画では、そこも強調するように記載してください。

(4)経営戦略における位置付けの解説

「建設設備業界の中堅工事会社ほか、東南アジアに進出している日系建設・製造業を主なターゲットとして」
ここでは2つのターゲットを設定しています
 ① 国内:建設設備業界の中堅工事会社 →  既存顧客の延長線上にある販路
 ② 海外:東南アジアに進出している日系企業 →  新規の販路
既存顧客への展開と新規市場への展開を両方示すことで実現可能性を補強していますが、詳しい説明はどこかで求められると考えて資料や説明内容等を準備してください。

「経営課題となっている鉄製品の下請け体質からの脱却を図り」
先に説明した通り、経営課題と経営戦略はセットで考えてください。
「現状欄で記載した経営課題→新規事業で解決」という流れが説明できます。

【別表2(実施計画)】

ここは、経営革新計画特有の表のため、書き方に戸惑うことが多いかと思います。
まずは、やらなくてはならない大項目(開発、販路開拓、品質改善など)を決めてから中項目を決める流れで進めると考えやすくなります。

【別表3(経営計画及び資金計画)】

経営計画および資金計画

この部分は、慣れていないと作成に戸惑う部分が多いかと思います。今回の記載例では、別表3作成支援システム(Excelファイル)で作成・提出する想定のため、6ページ目に記載しております。(数字の整合性が取れていることが大前提となりますので、できるだけ作成支援システム(Excel)を使用するようにしてください。)
【別表3】の記載上の注意点は東京都版と変わらないため、詳細は東京都版の解説ページをご確認ください。

<売上計画等の補足説明>

この部分は特に注意が必要です。
売上高の根拠(販売単価×販売数量)は、実現可能性を説明するうえで極めて重要な位置づけになります。特に販売数量の根拠は具体的に示す必要がありますが、十分に説明するには枠が小さすぎます。
「上記の枠を超える場合は別紙としてください。」とありますので、別紙もしくは補足資料の作成は必須と考えるべきです。
基本的な考え方を下記に記載しますが、社内にある事業計画・販売計画など、既存の資料で補強できる材料があれば、積極的に受付機関に提示してください。今回の記載例では、別紙のイメージとして、詳細版を8ページ目に記載しております。

➀単価を決める
・競合他社の価格との比較
・顧客が現状支払っているコストとの比較
・自社のコスト構造(粗利率の目標)
  → 上記 3つの観点を軸に設定する

➁販売数量を決める
 既存顧客への一次情報(ヒアリング・意向確認)などから「確度の高い数字」を設定する

➂計算式を明示して別表3と整合させる
・単価×数量×月数(または年数)の計算式を明記する
・算出した売上数値が別表3の売上高と一致しているかを必ず確認する

【別表4(設備投資計画・運転資金計画(経営革新計画に係るもの)】

設備投資計画で審査員が確認すること
別表4の設備投資計画欄では、主に以下の2点が確認されます。
 ① この設備投資が新規事業に必要なものであるか(既存事業分は含みません)
 ② 金額の根拠(見積書など)があるか

運転資金計画で審査員が確認すること
 ここでいう運転資金は、増加運転資金のことであり、事業に必要な資金の全額ではありません。詳細は下記記事をご参照ください。

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添付書類の例

9ページ目に一覧を記載しておりますので、ご確認ください。

予備審査後の本申請について

神奈川県からの正式な情報が少ないため、不明な部分も多いですが、下記をご参照ください。

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